六田亜矢子《むだあやこ》女医 29才が見た白昼夢 

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―― 長い白昼夢から目覚めた六田亜矢子 ―――  過去にも何度かっていってもほんとに数える程なのだが 白昼夢を見たことはあった。  しかし、こんな生々しい夢は初めてのことだった。  しかも、リアル実家のご近所さんが出て来て、果ては 自分が対極の立ち位置にいる人物として登場するなんて 本当にぞくりとする夢物語だった。  今まで母が暮らすご近所の娘さんのことなどトンと 忘れていたというのに、今頃こんな衝撃的な形で 思い出すとは・・思ってなくてもかなり精神的にきて いるのだろうか?    確か母から聞いた話は大山貴理が既婚者と付き合っていて 夢でいうところの啓吾だが、その啓吾の妻香織がかわいそうな ことになってるらしい、というところまでだった。  なのに、私の夢はその先まで進んでいた。
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