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それからの日々はあっという間に過ぎ去った。
『年々老いていくこと』と『楽しい時を過ごすこと』の相乗効果による結果だろう。
支援学校を卒業し、国内随一の大学へと入学した。そこを首席で卒業した後、海外の大学へと進学。主に社会学を学ぶとともに、必要な知識は余すことなく培った。
両親がくれたのは命だけではない。
秀でた才能が私にはあったのだと、勉強していく最中で思わされた。
命が尽きることなく、才能を発揮できたことに毎日のように感謝した。
「では、ノーベル平和賞を受賞した『早瀬 由里香』さんにお話を聞こうと思います」
渡航を終えて帰国すると、報道陣が私の方へと駆けてきた。
海外の大学で学問を深めた後、私は孤児の保護施設を作るため『厚生労働省』へと参入した。それからいくつもの施策を重ねた末、ようやく孤児の施設を建設することに成功した。
その功績が世界に認められ、私は栄誉ある賞をいただくことができた。
「この度は栄誉ある賞をいただき、とても光栄に思います。
私は生まれつき体に難を抱え、不自由な生活を送ってきておりました。それを見かねた父と母が私に自由を与えるために、共に過ごすはずだった時間を犠牲にし、冷凍睡眠による治療を受けることを選んでくださいました。
70年経った世界で困惑していた私を年老いた弟がサポートしてくれました。彼はがんを患っていたにも関わらず、そのことを隠して私を全力でサポートしてくれました。家族の力があったからこそ私は今ここに立てております。
これからは家族のためにも、私が実現したい『不自由のない自由な生活』に向けて、まずは第一歩を歩むことができた『孤児の保護』に取り組み続けていきたいと思います。私の命がある限り、頑張ろうと思いますので、どうか応援よろしくお願いいたします」
話を終えると、報道陣を含めた観覧者の皆が拍手を送ってくれた。
両親から授かった命と家族が支援してくれた身体のおかげで今の私がある。
だからこそ、これからも自分のやりたいことを実現していこう。
いつか家族と再会を果たしたとき、自信を持って私が送ってきた人生を語れるよう、これからも精一杯頑張ろう。そう強く願いを込めて、私は深々とお辞儀をした。
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