エピソード1《僕と彼女の出会い》

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目を合わせようと、顔を近づけてくるので、蒼司も目を一瞬合わせる…が、なぜか、また一瞬で逸らしてしまう。 「!?」 蒼司は驚いた。 何に驚いたかというと、あまりにも可愛すぎたのだ。 助けてもらった時は、意識が朦朧であまり見ていなかったが、近くでみると、その子は普通の子と比べるとかなり…いや、ものすごく可愛い方であった。 髪は綺麗なロングの黒髪で、その瞳は透き通ったような美しい青。すらりとした理想の体型。それに胸も………。 蒼司は今まで、同い年の女の子と喋ったことなど人生でほぼ一度もなかった。だから、女性体制というものが全然ないのだ。 まだ付き合ったこともない蒼司にとって、この子はある意味、敵だった。 目もまともに合わせられない。 パニック状態で蒼司が固まっていると、少女は訳が分からず、蒼司の顔の近くでまた、天使のような発声で囁いてくる。 「どうしたの?」 更に心配してくるので、蒼司はどうにか彼女に落ちついてもらおうと、必死に誤魔化す。 ――どうにかして、いい風に言うんだ! そう、爽やかな青年のように! 「い、いいい! いや? なんでも…ないよ?!」 彼女は一気に無表情になった。そして、蒼司は心の中で思う。 ――失敗した~ 蒼司のせいで、少女はもっと、もっと心配してくる始末。完全に失敗で終わったのだった。 ――絶対キモい奴だって思われた~! だが、その子は蒼司をそんな風に思ってはいなかった。むしろ、まだ話しかけてくる。 「もう大丈夫だから! もう、一人で悩まないで!!」 「………は?」 突然、彼女は強張った表情で、蒼司にそう訴えかけた。それで次に蒼司が座っているベッドの隣に腰かける。 「私が…私がをなんとかしてあげるから!」 ――え? なんで僕の名前を? 意味が分からず硬直していると、少女は蒼司に向かって。 「私! 私ね!!」 手を強く握りしめてくる。彼女の手はまるで冷たかった。 蒼司はその刹那、顔がものすごく赤くなり、我武者羅に混乱して叫んだ。 「はいいいぃ?!」 「――蒼司君が……。」 隙も与えないその一言。たった一言で、今の蒼司の心はハチャメチャに揺らいだ。 ついに、驚きすぎたあまり… 「Watts(どゆこと)!?」 English(英語)になってしまった。 これが僕と彼女の初めての出会い。 ここから、全ての物語が始まるんだ――!
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