夕闇に、攫って

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彼女の瞳に映る僕から目を逸らすと、辺りはすっかり暗くなっていた。月は煌々(こうこう)としているが、そこへ続く道はもう見えなくなりつつある。太陽の微かな光だけが、僕の居場所を教えてくれていた。 「ああ、いや。あとどのくらいで着くのかなあって」 彼女は、再会してすぐに「一緒に行きたいところがあるの」と言っていた。 行き先はあえて聞かなかった。その方が都合がいいと思ったからだ。 「あー、もうすぐだよ。話してれば、すぐ」 「わかった、歩きながら話そう」 僕たちは、また歩き出した。 彼女が口を開く。
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