~エピローグ~

1/1
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ

~エピローグ~

はぁ はぁ はぁ 2人の刑事が犯人を追っていた。 アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ。 近くのミシガン湖から1年間で 17人の女性の遺体が見つかった。 年齢は幅広く、上は40代前半、下は12歳。 現地の刑事と、 もう一人は日本人の刑事。 「You ready?」 「It's ok.」 「 Let's go!」 パンッ パンッ パンッ パンッ パンッ 銃声が鳴り響く。 「Oh my god! ・・・っっ・・・・・ Wait!」 遠くから警察車両の音がする中 彼は意識が遠退いていく。 「・・・ra ・・・カラ ・・・ちから!!!!!」 妻の里美(さとみ)に起こされたのは 米津 力(よねづ ちから)。 高校卒業後、警察学校に入り 刑事部強行班に所属。 2年で最多検挙率を叩き出し 刑事部刑事課捜査一係に配属され 3年で未解決事件を含め 関東地方一の成績を挙げた。 アメリカへ渡ると向こうでも 次々に事件を解決していった。 日本を離れ5年間、 来週、日本へ帰るという時に 追っていた犯人に2発撃たれ 3日後意識を取り戻した。 左脇腹と左肩を撃たれ 撃った犯人は もう一人の刑事に射殺された。 日本に帰って来ると 刑事部長の椅子が待っていたが、 それを拒否し自ら彼は捜査一課への 配属を志願した。 あれから2ヶ月。 「おはようございます」 里美に叩き起こされた米津は 寝不足顔で捜一に入って行くと すぐさま課長に呼ばれ別室へ向かった。 里美が握って持たせた おにぎりを食べながら課長と話す米津。 真北 省吾(まきた しょうご) 彼は警察学校時代に 米津とバディを組んでいた同期だ。 「来週から アイツが戻って来る事になった。 最近、猟奇殺人が増えてきてて そのせいで上が呼んだらしい。 ・・・っておい!! 人が真剣に話してんだから!! ・・・相変わらず 里美さんのおにぎり・・・ うまそうだな・・・俺の分は? じゃなくて!! ・・・俺・・・一応・・・お前の上司! わかる? Do you know? Do you understand?」 「発音がなってねーんだよなー」 そう言いながら首をかしげ 立ち去る米津を 真北が呼び止める。 「待てって! お前に面倒見させろって言われた。」 足を止めた米津に更に話しかける真北。 「忘れてないだろ?あの時の事・・・」 米津の脳裏に初めての事件が蘇った。 「特班だが、 そういう可能性がある事件には 連れて歩けだと。頼んだぞ。」 真北は米津の肩を軽く叩くと 自分のデスクに戻っていった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!