プロローグ、なのか?

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意味のわからないものが流行る時代になった。文明が生まれてうん千年だから、人間の頭で考えつけるものも発明され尽くしたのだろうか。それなら仕方のない気もする。邪魔だとしか思えない大きなリボンのついたスカートを身につけた人にとって、それは私にとっての本と同じ、自分の気分を上げてくれるものなのだろう。その人が美しいと思う意味のわからないものは、その人にとって計算され尽くしたカットが施されたダイヤモンドのようなものなのだろう。理解されなくてもそれを自分が好きでさえいれば良かっただけのはずの個人のものだった世界は、やがて普通だったはずの私の世界を蝕んでしまった。
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