マイノリティ嫌いのマイノリティ

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マイノリティ嫌いのマイノリティ

私はどうやらホモファビアという、セクシャルマイノリティを嫌悪してしまう人らしい。普通が一番という考え方をしてきたし、自分の普通を疑うことなく、ずっと本という常識の塊ばかりと向き合ってきた。だからだろうか。私自身が普通でないと評価されるのを棚に上げ、私は私自身が評価する立場だと勘違いしていた。奇抜なファッションという外見の個性から内面の個性まで私が全て。理解できないそれらを見るたび、私は訳がわからなくなった。なぜ、理解しろと言うのか。私達のいた世界から逸脱した人間が、普通を認められなかった人間が私達に何かをぶつけようとするのか。理解させようと言うのか。なにを、そんな、筋の通らないことを。普通から外れた人間はそこで生きていけないから別の集団で生きようとしたのに。なぜ、戻ってきて、私達と同じように生きようとするのか。認められる訳が無かった。同じ人間だと思ったことはない。先に逸脱したのは向こうである。望んでないにしろ、そのコミュニティから抜けることを選んだのはその人たちだ。認めないといけない理由はない。
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