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カフェオレを一気に飲み干すとやっと気分が落ち着いてきた。 陽はまだおかしいのか、くすくすと笑っている。 前々から距離感は近かったけれど、この前陽の家に泊まった日からスキンシップが多くなってきた気がする。 (前まではそんなことなかったのにー) 触れられて嬉しいけれど自分ばかりがどぎまぎしていて陽は平然としているところが少し悔しかった。 こういうところもそつなくこなすのは陽がアルファだからなのだろうか。 「陽はさアルファだからこういうことも自然と出来るわけ?」 ムキになって思わず嫌味な言い方をしてしまった。「はぁ…」と小さく陽が息をはく。 機嫌を損ねてしまったかもしれないと不安になる。 「俺だって緊張してるよ。必死に隠してるだけ」 でも陽は少し困ったような顔をしただけだった。 「アルファもオメガもベータも何も変わらないよ。アルファだって緊張もする。どの性別だから優れてるとか劣ってるとかないと俺は思ってるけど」 「うん…そうだね」 素直にごめんが言えない自分嫌になる。 居心地が悪くて、行儀が悪いと思いつつも氷が溶け出したグラスのストローをぶくぶくと吹いた。 そうだった。 こんな陽だから好きになったのに。 「悠、今わざと俺が嫌がるような言い方したでしょ?」 するどく指摘されてストローを吹く息が止まった。陽が目を細めて疑うようにこちらを見ていて思わず視線を逸らした。 「そういういじわるなことしてると口についてるソレ、また貰うけど?」 「…え?」 口元を触るとクリームが手についた。 「さっき無理矢理押し込んでたからまた口の周りについてる」 「んー!!!」 真っ赤になりながら慌てておしぼりで口を拭った。 そんな俺を見てまた陽が笑った。 陽を好きになってよかった。 陽なら全部受け止めてくれるー そんな願いは叶う気がした。 陽が自分の残ったパンケーキをフォークに刺して俺の口の前に差し出した。 恥ずかしさを抑えて、おずおずと口を開けるとキャラメルの風味が口の中に広がった。
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