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その日は特に朝からうだるような暑さだった。 連日続く猛暑で頭がぼーっとしていて きっと疲れが出たのだろうと思っていた。 「あっ…タオルない」 教室の自分の席に着いたところで忘れ物に気づいた。隣の席に座っている陽は手を団扇がわりにして仰いでいる。 「悠タオル忘れたの?ほら、俺もう一枚持ってるから」 そう言って陽がタオルをひょいと投げてよこした。 昼過ぎになると更に頭が回らなくなっていた。 もしかして始まったのか…? 一瞬嫌な予感が走ったが、軽い熱中症なのかもしれないとその考えを振り払った。 「陽、俺なんか体調悪いから帰る」 「まじかよ、大丈夫?1人で帰れる?」 「うん。タオル洗って返すから」 陽にそう告げると教室を出て職員室にいる担任に早退したい旨を伝えた。 この暑さだからなーと言った後に何かを思い出したかのように教師は顔色を変えると辛かったら明日も無理しなくていいと言った。 子を成せない出来損ないのオメガなことは隠しているが第二の性の申告は義務づけられているためオメガ性なことは学校も理解している。 担任の様子が更に不安を煽っていた。 校舎の外に出ると朝の比ではないほどの強い日差しが照りつけていた。
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