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「わっ!大きな声出さないでよっ、びっくりしたじゃない!」
「だって今窓の外にでっかい星が流れたんだよ!」
「あぁ流れ星ね」
「違うって!もっと大きい…隕石かもしれない!!」
「そんなわけないよ。ルル、寝ぼけてるんじゃない?僕氷枕取ってくるからちょっと待っててね」
大人に宥められる子供みたいな気分になってルルはムッとしました。(ルルは子供なんだけどね。同い年なのに大人な考えを持つムムによしよしされたのが嫌だったみたい)
「寝ぼけてなんていないもん!」
怒ったルルはダッと走りだすとムムを押し退けて部屋を飛び出しました。
「あっ、ルルどこ行くの!?待ちなよ!!」ムムは慌ててルルを追いかけました。
外に飛び出して窓から見えた大きな星が落ちた場所まで2人は手を繋いで走って行くと、庭に植えられたたくさんのバラの間に一際目を引くキラキラ光りを放っている場所がある事に2人は気付きました。
「…ねぇムム、あれって宇宙人かな?」
「やめてよ!大体宇宙人なんてそんなのこの世にいるわけない!」
「いるかもしれないよって言ってたもん」
「誰が?」
「パパが」
あぁ…。とムムは困って首を横に振りました。
「ママが言ってたよ。パパは少し夢見がちなところがあってあり得ないようなものにすぐ惹かれちゃう危ないところがあるからパパの話しは真剣に耳を傾けない方が良いよって」
「僕パパのそういうところ大好きだから良いんだもん。パパの話しをずっと聞いていたいよ、朝から晩までね。眠らなくたっていい」
だいぶパパに感化されてるみたいだな。僕はパパの話し馬鹿馬鹿しいっていつも思うけど。
ムムは口には出さなかったがそう思って、隣であの庭のど真ん中で光ってる得体の知れない何かに探究心をくすぐられまくって目を輝かせているルルをそっと見ていました。
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