ルルとムムの夏のお友達

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「………ここは何処?君たちは誰?」 「ここは僕達の家の庭だよ。僕はルル、こっちはムム。僕達双子なんだ。君は誰?何処から来たの?」 「…そう……。…僕はララ。星の国から来たんだ」 「星の国?」ムムが聞き返すとララは頷いて「あそこ」と星いっぱいの夜空を指差しました。 ルルとムムは最初は信じられませんでしたがララの身体がピカピカ光っている事やその周りをうんと小さな星がたくさん舞っているところなどを見てどうやら本当の話しをしているのかもしれないと思う事にしました。 「僕はいつも夜になるとパパがくれた星柄の絨毯に乗って何にもない真っ暗な空にいっぱいの星を飾っているんだ。あれをごらんよ」 ララは夜空を指差しました。夜空を見上げたルルとムムの目の前にはたくさんの星が飾ってあって皆仲良くピカピカ踊っているようにも見えます。 「今の夏の時期は射手座や琴座、いるか座…はくちょう座とかを魔法の星のクレヨンを使って毎晩描いているんだよ」 「ララ1人で?」ルルが聞きました。 「そうだよ。それが僕の役目だからね。パパとママは地球の皆が迷子にならないように大きなお月様を毎晩2人がかりで一生懸命磨いているよ、なんせお月様はそれはそれはうんと大きいからね」 「……ねぇ、ララは何者なの?」 ルルの手をぎゅっと握って勇気を出してムムが尋ねるとララはやんわり微笑みました。そして言いました「僕は星の国の王子だよ」と。
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