ルルとムムの夏のお友達

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「その王子様がどうして僕達の家の庭で眠っていたの?」 ルルが聞くとララは少し恥ずかしそうに頭を掻いてゆっくりわけを話し始めました。 「…わ、笑わないで聞いてほしいんだけど……いつもよりもはくちょう座が上手に描けたから嬉しくなっちゃって絨毯の上で踊ってたんだ。そしたら思わず足を滑らせちゃって絨毯から落ちちゃって気付いたら君たちの家の庭で気を失っちゃってたんだ」 えへへ…と苦笑いしているララのうっかり話しを聞き終えてからルルとムムは黙って顔を見合わせました。(どうやら2人はちょっと呆れてしまったようでした) 「け、怪我しなくて良かったね」とムムが言うとララは「うん」と頷き返しました。 「僕が地球に落ちちゃった事がパパとママにバレちゃう前に早く帰らないと」 「えっ!?もう帰っちゃうの!?」 「ルル、ララは仕事があるんだからしょうがないよ」 「ルルごめんね」 ララは謝りましたがなんだかルルはちょっと寂しそうです。 「どうやってあそこまで帰るの?」 ムムが聞くとララは「魔法の星のクレヨンを使うのさ」と言いました。 「クレヨンをどうするの?」 「これで夜空に新しい星を描くんだよ。そうすれば新しい星の絵に気付いた絨毯が迎えに来てくれる。でもそのクレヨンを出すためには“コレ”を使うわないといけないんだ。ちょっと待って今見せてあげるから」 ララはズボンのポケットに入れていた魔法のステッキを出そうとしました。しかし手を突っ込んでもポケットには何にも入っていません。ララはそこでようやくクレヨンを出すために必要な魔法のステッキを何処かに落としてしまっていた事に気付きました。
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