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「どうかしたの?」ルルが聞きました。
「ステッキを何処かに落としちゃったみたいなんだ…」
「ステッキ?」
「魔法のクレヨンを出すために必要な魔法のステッキの事だよ」
「絵本に出てくる魔法使いのお婆さんが使ってるやつかな?」とルルが聞くと「うん多分」とムムは頷きました。
「どうしよう…あれがないと僕は家に帰れないよ………うっ……うわぁ〜〜〜ん!」
ついに泣き出してしまったララを見て 大丈夫だよ! と2人は慰めましたがララはもう大号泣が止まりません。
「どっどうしようっ!?」
ムムがおろおろしている側でルルはパジャマのズボンのポケットに忍ばせていたクッキーを取り出すと「あげる」とララに渡しました。
「…ぐすっ…うっ……これはなぁに?」
「クッキーだよ!ママが作ってくれたやつ、すっごく美味しいから食べたら元気出るよ!それ食べてさ、一緒に魔法の星のクレヨンを探しに行こうよ!」
「いっ一緒に?一緒に探してくれるの?」
「うん!ね、ムム!」
「えっ?あっ、う、うん!そうだね!一緒に探そう!」
明るい昼間ならともかく真っ暗な場所が苦手なムムは本当は嫌でしょうがなかったのですが目の前でこんなに泣かれてしまってはここで嫌だと断ったら自分は明日からルルに「鬼ムム!」と呼ばれるに違いありません。それはちょっと嫌だったのでムムは仕方なく探しに行く事を決心したのでした。
魔法のステッキを探しに3人で手を繋いで真っ暗な森の中に入りました。ララの身体は光っているため懐中電灯代わりになってくれたおかげもあって夜の森は真っ暗で怖いと思っていた森の中は案外怖くありませんでした。
「何処らへんに落としたか覚えてる?」ムムが聞くと「ううん」とララは首を横に振りました。
「あっちの方に行ってみよう」
ルルは大きな湖のある方を指差しました。3人は帰る時に道を迷わないようにに足元にキャンディを一粒ずつ落としながら歩いて行く事にしました。
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