ルルとムムの夏のお友達

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 湖に着くと真っ白な大きなはくちょうとふわふわの雛鳥の2羽が月が写り込む大きな湖でまるで踊っているような感じで仲良くすいすい泳いでいました。 「あっ、ママ!お客さんだよ!」 3人に気付いた雛鳥がはくちょうママの手をくいくいっと引っ張って教えてあげるとはくちょうママは3人の方を見て「あら、こんばんわ」と笑みを浮かべました。3人は笑顔でこんばんわ!と返しました。 「こんな夜更けに子供だけでどちらに行くの?」 「魔法のステッキを探しに行くのさ」 ルルが教えると「魔法のステッキ?」とはくちょうママはきょとんとしましま。 「ララの落とし物だよ」ムムが言いました。 はくちょうママは2人の間でキラキラ光っているララを見て あぁ! と察しました。(はくちょうママは物知りだったからです) 「貴方もしかして星の国から来たの?」 「僕の家知ってるの?」 「貴方のお母さんとお父さんに昔会った事があるのよ。他の兄弟達が皆さっさと白鳥に成長する中、私1人だけなかなか大きくなれなくて湖の端っこで泣いていたら2人がやって来てね、『貴方には大きくなれない呪いがかけられているようだから今その呪いを解いてあげるわ』って魔法をかけてくれて、それでようやく立派に白鳥になれたのよ。悪戯好きな妖精に知らない間にそんな酷い魔法をかけられちゃっていたんですって」 「そうなんだ!呪いが解けて良かったね!」 ルルが言うとはくちょうママは「えぇ本当に」と嬉しそうに微笑みました。
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