ルルとムムの夏のお友達

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 森で囲まれた大きな家には赤いレンガの屋根、庭にはたくさんの色のバラが咲いていて家の近くにはちっちゃい小川が流れています。 この家にはゼリーグリーンと呼ばれるこの街ではちょっと有名な子ブタの大家族・スパニッシュファミリーが住んでいました。 今日はそこの末っ子でこの物語の主人公である6歳の双子の男の子・ルルとムムのお話しをしようと思います…。               その日の夜はとても暑かった。窓を開けていても風ひとつ入ってこないもんだから2階の部屋で寝ていた暑がりのルルは「もうっ、眠れないよっ!」と言ってバッとベッドから起き上がりました。 ルルと反対にちゃんとお母さんに言われた通り氷枕してルルの隣ですやすや眠っていたムムはルルの声に起こされてしまったから仕方なく起きると「どうしたの?」と眠そうに目をこすりながら聞きました。 「暑くて眠れないんだよ!」 「ママの言う事聞かないからだよ。寝る前に『今夜は暑いから氷枕して寝なさいね』って言われたじゃない。それなのにルルったらめんどくさがって…」 暑い暑い!何でこんなに暑いんだぁ〜! とルルはムムの話しなんて聞いちゃいない。ムムは小さくため息をつきました。 「しょうがないなぁ。水を飲みに行くついでにルルの氷枕持って来てあげるよ。……よいしょっと」 ムムはベッドから出るとわぁわぁ騒いでるルルを後ろに部屋のドアの方へ向かって歩いていきました。 するとその時窓の方を向いていたルルが「あっ!」と大きな声で叫びました。
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