貴恵くんは、わがまま

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「んんっ.........ふっ、.........きっ、えく、」 熱の中、貴恵くんの名前を呼ぶと。 「はぁっ、ちゆ、かわいすぎ、 どれだけ僕を夢中にさせれば気が済むの、」 いやらしい目つきで、 私を、ジッと見つめる貴恵くんの顔。 この顔を誰にも見せたくないって思うのに。 「なっ、ぅ、夢中になんて、させてないっ、」 私の口は反対のことを、そう呟けば。 「うん。ちゆは相変わらず無自覚だね」 そう言って、 私の頬をなぞる貴恵くんの温かい手。 「っ、貴恵くんは、ズルいよ.........っ、 わっ、私はこんなに〝好き〟なのにっ、」 ──────溢れ出た〝好き〟の言葉。 「あー、もう、ちゆはかわいいな」 .....................っ。 貴恵くんのその言葉に、 私の心臓は、──────ドクン、ドクンって。 今までにないぐらい、めちゃくちゃ早く動いてて。
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