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5.基地の中
学生を十分に脅してそのまま薄暗い石廊を進むと、いきなり意表をつくように、広い空間に出る。人工的でいながら、トーンを落とした証明、つるりとした継ぎ目のない白壁、薄白く発光する床一面の魔法陣。
近代的な内装に驚かされて見落としがちだが、この魔法陣には、高度な魔法が施されている。
「この魔方陣はどういう効果なんですか?」
キーファが組まれた術を読みながら問う。一目で読み取れるようにはできていない。複雑な魔法術式が、装飾のように描かれていて美しい。
「魔法の無効化。侵入者が使えないように、そしてやたらと血気盛んな団員が騒動を起こさないように」
「――自分達も、ここでは魔法を使えなくしてあるんですか?」
キーファの驚きの声に頷く。
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