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「はははっ、早城くんっ!
いっ、いま、何をなさって............っ!」
男の子と話すのでさえ、
いっぱいいっぱいなのに............っ。
「芽吹がかわいーから、つい」
動揺する私とは対照的に、
余裕そうな笑みで笑ってる早城くん。
「っ、か、かわいくは、ない、です、」
男の子に〝かわいい〟なんて、
人生で、初めて言われたから.........っ。
「芽吹はいちごみたいで、
めちゃくちゃかわいーって思うよ俺は」
「〜〜っ、」
私が照れちゃうような、
爆弾をバンバン投下してくる早城くん。
「ひと粒のいちご、半分こしたみたいに、
芽吹、これからも俺のこと笑わせてよ。
芽吹は、俺を笑わせる天才だから」
「ぅ、はぃ、お力になれるよう、頑張ります、」
私は緊張しながら、答えた。
きみに、話しかける勇気なんてなかったのに。
〝ひと粒のいちご〟が、
──────きみに話しかける勇気をくれた。
fin.
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