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「……だ、だから、先生たちは御神木にぺこぺこしてたってこと?」
「たぶん。木ってさ、樹齢百年を越えると魂が宿るっていうじゃん。だから、うちの学校にある神木は人間と話すことも可能で──エネルギーが足リナイぞお、ニンゲンども、ナニをシテオル、ってね」
この世界の主人公は植物で、人間は──モブに過ぎない。
そういうことだろうか。
知らない間に支配され、彼らの言うなりになっていたとしたら、まるで奴隷ではないか。
恐怖と不安に身を強ばらせる芽衣子とは対照的に、一樹はあっけらかんと笑っている。
「もしかして騙してる?」
「いや、ぜんぜん。だって、この仮説が本当だとしても──」
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