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「やっぱりおかしいよ!」
スポーツドリンクを一気飲みして、鼻息荒くそう言う芽衣子に一樹が目をまるくする。
公園を飛び出したあと、芽衣子はすぐ一樹に電話をかけた。話したいことがあると一樹を呼び出し、現在コンビニの前。熱中症にでもなって頭が変になっているのかとスポーツドリンクを買ったのだが、ペットボトルが空になっても芽衣子の考えは変わらなかった。
「風もないのに木が揺れるんだよ? それって……それって、どういうこと」
「ほー。やっと芽衣子も目が覚めたってわけだ」
「わかんないけど……なにかおかしいってことは確かだよね」
「よし。じゃあ、芽衣子にもおれの仮説を聞かせてやろうではないか」
ようやく自分の話を信じる気になった芽衣子に気をよくした一樹がえへんと胸を張る。
「まず、植物はおれたちが思ってる以上にIQが高い」
「え?」
「知ってるか? あいつらコミュニケーションとれるんだ。虫とかが葉っぱを食べたりするだろ。すると、あいつらは匂いをだしてそれを仲間に伝え、更にはその虫の天敵を呼び寄せる。そうやって情報交換しつつ、自分の身を守っているんだ。すごくね?」
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