始まり

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「ええ。この未来が来ることを変えられなくても、その後の未来を変えることなら出来るわ。このままでは地球が危ないのよ」 「そう……分かった。俺もこの未来を変えたいしね。俺も行くよ」  聞き心地の良いやや低音の声が聞こえる。 「レオならそう言うと思った」  見つめ合い微笑み合う2人は恋人だった。 「待て! オレも行く!」  名乗りをあげたのは彼女に片思いの友人の男性ジェイ。彼は高めの声をしている。  3人の背中には光の翼が生えている。天使系宇宙種族は、翼が生えている以外は人間と何ら変わりない。 (私、宇宙種族だったんだ……これは、産まれる前の記憶なの? それにレオって……あの人……) 「あら、あなた達も志願するのね?」  声をかけてきたのは別の惑星の種族の女性。  彼女も善なる宇宙種族だ。身長が2メートルぐらいある以外は人間と変わらない。温かみのある低音の声をしている。 「君たちの気がしれないね。地球人なんて愚かじゃないか」  そう言ってきたの彼も他の惑星の善なる宇宙種族。小人のように小さい姿をしているが人間と変わらない。頭の先から出てるのかと思わせる高音の声をしている。身長が1メートル位。彼は人間が嫌いらしい。 「そうね……確かに人間はいつまでも戦争や争うことを止めようとしないわ。でもね、皆同じ神から産まれたのよ。兄弟も同然じゃない!」 「兄弟? 地球人と?」 「お前さ、行く気ないなら黙ってくれる?」  とジェイ。 「いいや。行くよ」 「え? 行くの?」とアンナ。 「嘘だろ?」とレオ。 「ハハハハ……」と空笑いしているジェイ。 「信じられない……」と2メートルの女性。 「なんだよ、良いだろ、別に!」  顔を赤らめる小人のような彼。 「良いけど……」 「うん、まぁ……」 「行きたいなら……」 「誰も止めないわ」 「そうしたら皆で勉強ね。地球について色々学ばないと」  アンナは皆に向かって微笑んだ。
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