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「どうもカモメのトフミですっ!!」
トフミは、逞しそうなトウゾクカモメに何度も会釈をした。
「で・・・」
「なあに?カモメのトフミ?」
「君誰だっけ?」
「ズコーーーー!!」トウゾクカモメはズッコケた。
「お、俺は世界の大海原で言わずと知れた、トウゾクカモメの『イラヴ』だよ!!」
「そうだそうだ!!『イラヴ』さん。お久しぶりですっ!!
で、御用はなんでしょうか?!
俺、丁度この海岸にカモメ仲間が居なくてとても寂しかったっす!!
どうですかぁ?この際、一緒に遊びませんかぁ?!
ほら、ここに人間が忘れていった・・・」
「そういうつもりで来た訳では・・・」
トウゾクカモメのイラヴは、浮かない顔をしてぼそっと言った。
「何のつもりで?君も寂しかったんでしょ?!ほら、夏の暑い盛りでだーーーれも鳥達に出逢わなかったでしょ?
俺もそうよ。俺はここで、真夏の間海水浴客にちょっかい出して楽しんできたんだぜ?
面白いエピソードあるから、聞いてくんない?」
「だからいいって!!」
トウゾクカモメのトフミは突然怒鳴った。
「何だよいきなり態度変えて!?せっかく・・・」「トフミ。まだ君には、この危機を知らないんだな・・・」
トウゾクカモメのイラヴは、言葉を遮られたカモメのトフミを押しやって声色を変えてこう告げた。
「もう、君が喋ろうとしている『楽しい夏』ってのはもう終わりだ。」
「終わり?!何でだよ?!」
カモメのトフミは食って掛かった。
「教えてやろう。何で俺が此処に来たのか。警告する為に来たんだ。
もう、他のカモメ達は知っている。
まさか、君が知らないとは。
来て良かったぜ・・・!!」
「だから何なんだよ?!勿体ぶらずに本当の事を話してくれよ?!この海に危機が来るって何なんだよ?!」
「教えてやろうか?絶望するなよ?!」
「だから早く話してくれよ?!気になる!!!!」
「もうこの海は既に汚染され初めている・・・!!」
「えっ?!」
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