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「汚染され始めてるって何で?!」
「トフミ、落ち着け。」「落ち着いてられないよ?!汚染され始めてるって何が汚染されて始めてるんだよ?!」
「もう、大海原の仲間達はこの事実に絶望している・・・
十数年前、原発事故が起きた時の放射能汚染された処理水を人間どもが海に垂れ流し始めたんだ!!」
「ええええっ!!」
カモメのトフミは絶句した。
「人間どもは処理水を海水に薄めて海に垂れ流してるから安全だとか言ってるけど、そんなこと無いだろ!!
何でこんな毒物を海に捨てるんだ!!
被爆するよ・・・大海原の仲間達が全員!!
放射能汚染水を海に平気に垂れ流す人間ども!!万死に値する!!
チクショウー!!チクショウー!!」
トウゾクカモメのイラヴは、大粒の涙を流して激昂した。
・・・だからだ・・・
・・・カモメ仲間がこの海に来なかったのは・・・
「トフミ、この海岸は海流的にもろに人間が垂れ流した汚染水の影響を受ける。
そう、この海岸もろとも被爆するんだ!!」
「被爆?!」
カモメのトフミの脳裏には、海水浴客で賑わうこの海岸の夏の風景が走馬灯のように流れてきた。
「そうなのか・・・もう、この海岸には海水浴客がもう来ないんだ。海岸が放射能汚染して・・・」
カモメのトフミの目からうっすらと涙が溢れた。
「チクショウ!!人間ども!!何で酷い事をしやがるんだ!!
もう夏は終わりだ!!二度と夏はこの海岸に戻って来ない!!
バカヤロー!!人間のバカヤロォォォーーーーー!!」
カモメのトフミの叫びは、静々と事故原発から垂れ流された処理水の放射能に侵食されゆく海遥かへ轟いた。
〜もう夏は二度と来ない〜
〜fin〜
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