彼は裏切っても筋肉は裏切らない

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「別れよう」 珍しくええ喫茶店に連れて行ってくれたと思ったら、コーヒー出てきて最初の言葉がこれやった。最近色々あって、この彼氏に対する気持ちが冷めてきたのもあったから、伸ばしてた髪もボブカットにしたのに。たまには見た目から気持ちも切り替えてみたら、どこか良い方向に変わってくると思った私がバカだったわ。 冷めてきたから分かれるか、もう少し頑張ってみるかの2択で迷った所に思わぬ先手。これが悔しいのは、出てきたコーヒーにガムシロップを3つ入れて飲む奴に言われてる事やと思う。 「だって、俺がプチトマト嫌いや言うのに、いつも婆ちゃんからプチトマト貰ってくるやん?」 「仕方ないやん、婆ちゃんがくれるんやし。…やけど、あんたに食べ言うた事無いやん。」 プチトマトがとんでもなく嫌いな事は分かる。でもそないな事で別れようとか何とか言ってくるの、プチトマトより小さくないか?…何がって、男の器とかいうやつ。 「言いにくいんやけど、君の職場の同期のマコちゃんおるやん?あの子の事が好きになってもうて。たまらんやん、ナイスバディ。Gカップやで、グレート過ぎへんの。比べて君は色気が無いんよ。」 私と付き合う切欠になった合コンの時やな。…付き合い始めた時点で連絡先は処分してほしかったとは思うんやけど、それよりも私の人間関係までかき乱してくるやんコイツ。 「しかしよく似合うなー、ショートの方が好きやわ。もっと早く見たかった。」 言わんでええわ、ほんまに腹立つ。それにあんたがロング好きや言うから、髪伸ばしてたんやで。払いたくなかったけど、2人分のお金叩きつけて帰ったわ。私はコーヒーだけしか飲んでないけど、あいつはケーキ食べてたしよ。 余りにも人を馬鹿にしすぎと違うん?そう思った時に、私の反撃は既に始まっていた。
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