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薬と毒は表裏一体。
「毒薬変じて薬となる」場合もあれば、「薬も過ぎれば毒となる」。
それは何度も身に染みていること。
心の鼓動が速くなり動悸がする。
そして喉がしまって声が出ない、とても気持ちが落ち込むこともある。
だけど、気分が晴れて、とても幸福な気持ちになることもある。
表裏一体、どちらにも転ずる不思議な薬。
あの人の視線は、匂いは、表情は、言葉は、肌は私の目から、鼻から、口から、肌から私の中に入っていく。
まるで薬のように、毒のように私の身体や心に予想もつかない作用を及ぼす。
処方箋なんかない。
いつかあの人から出される薬に耐性ができる日が来るか、それとも薬が出なくなるのか。
いつかその時が来るまで私は飲んでいく。
願わくば毒よりも薬を‥。
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