遊び相手

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 四歳になったばかりの娘の独りごとに麻衣子(まいこ)が気づいたのは、リビングでテレビを見ているときだった。  昼食のあと片付けを終え、ソファで寛いでいると… 「これはね。真由(まゆ)のお気に入りなの」 「そう。欲しいの?でもダメよ」  麻衣子の耳に娘の声が入ってくる。何だか、誰かと話をしているみたいだと思った。  窓際の床にぺたんと座り、いつものように、ひとり娘の真由が何か言いながらおもちゃを並べて遊んでいた。カーテン越しに、明るい陽射しが振りそそいでいる。
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