涙を止めるのは、

3/4
前へ
/4ページ
次へ
*** 「で、しずく、何作ってくれてたの?」 斗眞くんのお陰で、 やっと泣き止んだ私に、尋ねられた。 「ぅ、えっと、今日は水飴作ったの。なんか、 私と斗眞くんみたいで、作ってみたくてっ、」 お兄ちゃんに、 食べられちゃったからもうないけど......っ。 思い出したら、悲しくなってきてしまう。 お兄ちゃんなら気づかないのに......... 「しずく、泣きそうな顔すんなって」 泣きそうな顔に気づいて、 ポンッと私の頭に手を乗せてくれる斗眞くん。 お兄ちゃんと同じ高校3年生なのに、 優しくて、大人で頼りになる......そんな男の子。 いつまでもこのままじゃ、 ダメって分かってるから............ 「.........っ、ぅ、斗眞くんっ、私っ。 いつまでも......っ、弱くてごめんね、」 気がついたら、そう口にしていた私。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加