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謎の言葉”マッチョン”
「マッチョンって何だろう?マッチョのことだろうか」
背中の文字は気になるが筋肉の塊となり鏡の前に立ってしまうと、取りあえずポーズを取らずにはいられない。これが筋肉オタクの性である。
ボディービルダーの様に色々なポーズを楽しむ真知。
すっかり今の状況を忘れ調子に乗ってしまう。
真知の一番お気に入りのポーズは、片足の膝を地面に付け、もう一方の足は膝を立てる。そして、両手を直角に曲げて力瘤を作るポーズ。
そのポーズを作り上げると、45度腰を回して鏡を覗いて見る。
卓上型の鏡では、一度に全身を見ることは出来ないが、それでもほれぼれする筋肉にウットリとしてしまう。
三角筋から、僧帽筋から、上腕二頭筋三頭筋にかけてがたまらなく美しい。
下腿三頭筋と、大腿筋の盛り上がりを確認して「ニッ」と笑ってみる。
「思わず、抱かれたい」と呟いたその瞬間から・・・・「あれっ!」。
見る見ると筋肉が落ち始めた。
熱くなった体からは熱が奪われて行き、気持ちは平静を取り戻す。さらに血流も穏やかになり、高鳴っていた心臓の鼓動も安定を取りもどす。
身体から重量感は消えるが、返って体は重く感じる。
オイルを塗った様なテカリは消え、浅黒かった色はすっかり褪め、オタク特有の色白を取り戻している。
鏡の前に立っているのは、ほっそりとした色白の女の子である。
辛うじて膝に引っかかっていた、ぶかぶかになったパンティーがするりと床に舞い降りる。
どう見てもいつもの裸体である。
「寝ぼけてたのカナ?そう思ったが、引き裂かれたTシャツと、ずり落ちたスカートの説明が付かない。
それに、なによりぶかぶかになって伸びきったパンティーが体の変化を如実に物語っている。
「えっ、えっ、えっつ、
一体、私どうなっちゃったんだろう…」
<ひとまず終わり>
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