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「かいカいワレワレ、ナスなすマンなこった…」
頭が混乱してしまった少女から出るのは、言語にならない言葉ばかり。
少女が鏡越しに見た己の姿を例えるなら、それはボディービルダーの最高峰のさらに数段上の存在。少し古い言葉で言うと、ゴリゴリのゴリマッチョ。のさらに三倍。
単に、ボディービルダーやゴリマッチョと言う単語で片付けるには、あまりにも見事な筋肉体なのだ。
マッチョ好きな少女でさえも、かつて見た歴代のマッチョ達とは比較にもならない、全く人間離れした筋肉体なのである。
「もう、一生このままなの?このまま戻らなかったらどうしよう。
う、うそ、うそうそうそ。どうしたらいいの?着られる服だってないよ。学校にも行けない」
少し冷静になった少女に、不安と恐怖が覆いかぶさるように襲って来る。
「どうしよう」
不安が募る。
「どうしよう、どうしよう」
不安に包まれる。
「ああ~もう、どうしたらいいの~?どうしたらって言うか…」
確かに不安に襲われているのだが、何かちょと違うのを感じる。
全てを否定していない自分がそこにいる。
それは、なぜか?
美しい。美しいのだ。
浅黒く光輝いている体は抱きしめたい程に。と言うより抱きしめられたい位に美しい。
でも、自分の体である以上、その願いは叶わない。
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