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その言葉に、駿の目つきが険しくなった。
「健太、まだ慣れないのは分かる。でももうちょっと考えなさい。朝まで待てば8時間は空けられる」
「そしたら飲ませてもいいってこと? その間に事務所に取りに行けばいいですか?」
「いい、俺の持ってる分渡しておくから。コンビニでお客様の好きな物買って、戻りなさい。今は一緒に居てあげるの」
ビジネスバッグからアルミシートを取り出す駿。
受け取った鯉川が怪訝そうに聞き返す。
「そんな事したらますます好きになられません?」
「その気が無いのに優しくしてるのはサービスだからって分からせるんだよ。それと、チャイブはあくまで保険。ご本人が望んだんじゃないなら、こっちの実力不足」
「……分かりました」
コンビニに向かう鯉川の背中を見送り、つぶやく。
「楽な仕事じゃないよなぁ……頑張れ」
駿もまた、拓也の自分に対する態度に変化が出てきたのに気付いていた。
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