healing

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「何」 「僕たちって、いったいどんな関係?」 「ん?」 「川瀬って、僕のことどう思ってるの」 ダブルベッドに大好きな川瀬と全裸でいる この状態に頭がついていかなかった。 「岸野は何て言われたいの」 「何てって」 「俺が岸野を好きなのは知ってるよね」 「‥‥ええっ!」 全くの初耳だ‥‥。 動揺を隠せないでいる僕に、 川瀬は苦笑いしながら言葉を続けた。 「忙し過ぎて、気づかなかったのかあ。 俺、ずっと岸野にLoveだったんだけど」 「そ、そうなんだ‥‥」 「で?岸野は、俺のこと好き?」 川瀬に見つめられ、僕は即座に頷いた。 「好き」 「まあ、知ってたけどさ」 「‥‥えええっ?!」 いったい、いつ知ったんだろう。 LINEのやり取りくらいで 川瀬とはあまり接点がなかったのに。 「岸野、俺と付き合って」 僕の頬を撫でながら、川瀬が微笑んだ。 「あ、はい」 声に出した途端、震えが止まらなくなった。 嬉しすぎて。 「やっと言えた‥‥岸野、俺に何かできる ことないか?何でもいいよ、言ってみて」 川瀬の声が心地よく耳に響いて、予感した。 こんなに自分を癒してくれる相手は、 絶対に川瀬以外いない。 僕は迷わず川瀬にしがみつくと、 子供のように声を上げて泣き始めた。
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