healing

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どれくらい時間が経ったのか。 再び眠りに落ちていた僕は、 川瀬の手が止まっているのに気がついた。 「岸野」 「ん‥‥?」 あれ、さっき足の付け根を マッサージしてくれてた気がしたんだけど。 気持ち良すぎて全然記憶がない‥‥。 「岸野、あのさ」 「うん‥‥?」 「仰向けになれる?」 「‥‥仰向け?」 半分寝ぼけながらカラダを反転させた。 「やっぱり」 川瀬が笑いを堪えきれず、吹き出した。 「え」 「お前、少し勃ってる」 「‥‥あっ」 慌ててバスローブの前を手で隠したが、 川瀬に手を払い除けられた。 バスローブの紐を解かれ、 「邪魔だから脱いじゃおうか」と言う 川瀬の整い過ぎる笑顔に見惚れる余り、 僕は大した抵抗もできないまま 腕からバスローブの袖を抜かれると、 あっという間にトランクス1枚の姿になった。 「川瀬‥‥ごめん、勘弁して」 川瀬の視線は、 僕のトランクスの真ん中に注がれている。 「見られてるだけで、何大きくしてんの」 「こ、これは‥‥もう見るなって」 「触ったら、どうなっちゃうのかな」 「止めろって」 次の瞬間、川瀬の指先が僕の真ん中を捉え、 僕は大きくのけぞった。 「川瀬‥‥ホントに止めて‥‥忙しくて、 しばらくヌイてないんだ‥‥」 「へえ‥‥そうなんだあ」 急いで膝を合わせようとしたが、 川瀬は馬乗りになってきてそれを阻み、 「岸野、こっちも楽にしてやるよ」 と言って僕のトランクスに両手をかけると、 一気に太腿まで下ろしてきた。 「川瀬‥‥ッ!」 「マッサージしてって言ったの岸野じゃん」 「そういう意味じゃないし!」 「素直になれよ」 「意味わかんない」 そんな会話をしている間に、 僕のトランクスは無常にも足首の位置に。 「俺も脱ぐ」 「え、ちょっと待って」 川瀬がバスローブとトランクスを脱いだ。 「俺も勃っちゃった」 初めて間近で見た川瀬のソレは、 それはそれは逞しくて‥‥息を呑むほど。 「岸野、キスしよ?」 「あ、あのさ、ちょっと落ち着いて」 川瀬に再び押し倒されながら、 必死に抵抗した。
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