白球の行方

2/7

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
***  幼馴染みの慎ちゃんは小学生のときから野球少年で、中学に引き続き、高校に入ってからも迷わず野球部に入った。私たちの高校は県下でそこそこ強いチームだった。 「悠を甲子園に連れて行くからな!」  それが慎ちゃんの口癖で、慎ちゃんは毎日汗だくになって練習してた。  慎ちゃんが二年生のとき、チームは勝ち進み、あと一勝で甲子園というところで敗れた。  慎ちゃんは空を仰いで、そして、メットを目のところまで下げた。泣いていたんだと思う。  その光景は今でも忘れられない。  慎ちゃんは、涙のうちに、次は必ず甲子園に行くことを誓ったんだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加