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後日、メイちゃんに呼び出されたカフェには、笑顔のメイちゃんと眩い光のオーラを放つイケメンが私の前に座っていた。
色素の薄いサラリと顎まで伸びた長い髪に、薄っすら化粧をした艶っぽい表情の細身の男性がニコニコとタヌキ顔の私を見ている。
「陽菜、こちら同じクラスの白鳥くん! メイクの練習をさせて欲しいんだって」
私が目線の置き場を探している間、白鳥くんはスッとバッグからファイルを取り出すとテーブルの上に置いてパラパラとめくった。
「僕ね、色んなパターンのメイクに挑戦していて…輪郭の違う人とか、男性もいるんだけど」
めくられたページを見ると、細顔の人や骨格のしっかりした人、高齢の女性、男性…様々な人に施したメイクが写真に収められていた。
「…わぁ、どれも、きれいですね」
私の素直な感想に、彼は「ありがとう」と穏やかな優しい声で言った。耳障りの良い声に私はドキドキし始めていた。横からメイちゃんが補足する。
「従姉妹が自分でメイクしたことないんだって話したら、白鳥くんが興味持っちゃって!」
やや興奮気味に話すメイちゃんに「あはは」と笑う白鳥くん。その笑顔に私は目を奪われた。
「陽菜ちゃん、もし良かったら…きみにメイクをさせてもらえないかな?」
「…はい。お、お願いします」
自然と口から「はい」が出て、内心自分で驚いてしまった。私って…チョロいのかな…。
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