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犬飼がふと遠くを見つめると、俺達に目配せをした。
「なぁ、あそこ。岡山さん」
みんなが見つめる先には「女神」と陰で呼ばれている岡山さんが生徒会グループの中にいた。
俺達と同学年で誰もが認める美女だった。
「可愛いよなぁ、マジで」
「え…桃田、それマジなやつ?」
犬飼が俺の熱の籠もったつぶやきに反応する。
「え!? いや皆そう思ってんじゃねーの?」
「あ〜、いやいやいや…」
「うん、可愛いことは確か」
「女神だしな!」
他の三人の微妙な反応に、俺は戸惑う。
温度差を感じて急に恥ずかしさが出てきた。
「え〜! 待って待って! 10段階で言ったら、皆どのくらい?」
俺の突発的な質問に「なんだよそれ」と笑うも、ノリのいい彼らは答える準備をしてくれた。
「いいよ、いいよ。じゃあ、せーのでな」
ニヤニヤと犬飼が皆を見回す。
「せーーーの!!」
「10!」
「4!」
「5!」
「5!」
ちなみに「10」と答えたのは俺だ。
犬飼が4、猿渡と雉岡は5。
謎の「イェーイ」という掛け声で三人は盛り上がる。
俺は自分以外の数字の低さに驚いていた。
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