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エーシャを連れて、村の広場に行くと、村のみんなが集まっていた。パーカーさんが呼びかけてくれたらしい。
村長は……、いないな。まあ、しょうがない。でも、村の人たちみんなに見せることができるんだったら、それだけで意味のあることだと思うから、ぜいたくは言わない。
「何だ何だ、何が始まるんだ?」
「何でも、パーカーさんとこに泊まってる踊り子さんが踊ってくれるそうだよ」
「ほほお、町の踊り子か。踊りなんて久々だねえ。村の踊りとは違うのかねえ?」
あちらこちらで、そんな会話が飛び交う。自分のことではないのに、何だか緊張してきちゃった。
エーシャを見ると、落ち着いてるように見える。さすが、こういう場には慣れてるのかな。町では沢山踊ってたみたいだし。
「エーシャ、こっちよ」
「ええ……」
私はエーシャを広場の真ん中に立たせた。そして村のみんなに向かって言った。
「みなさーん、今から町の踊り子エーシャが踊りを披露してくれまーす! さあ、みなさん拍手拍手!!」
すると、村のみんなが一斉に拍手を始めた。とりあえず、私の出番はここまでだ。
エーシャ、がんばって。
エーシャは私たちに一礼すると、いきなり宙を舞った。
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