溺れる

3/8
前へ
/181ページ
次へ
夕方、家に帰ると玄関を開け放ち、 買ったものを車から下ろして中に運ぶ 「ただいま〜」 声をかけたが、中からは返事がない あれ、2人とも家にいるようなことを言っていたのにどこかへ出かけた? 宗太は 「2人とも出かけてる?」 「母さん〜、いないの〜?」 車からすべて荷を下ろすと、私は手を洗いに 洗面所に行った すると、湿った温かい空気を感じて あれ?誰かお風呂に入ってる? 浴室のドアが曇っていてよく見えない 「父さん、風呂?」 声をかけてみたが、返事がない 私は何かイヤな感じがして、 そっと浴室のドアを開けた 洗い場には誰もおらず、 不思議に思った次の瞬間、 浴槽に何か浮いているのが見えた 父だった 顔面を湯船に浸け、ゆらゆらしていた
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

380人が本棚に入れています
本棚に追加