山形……だと!?

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山形……だと!?

 時は令和2年、世の中はコロナ騒動の真っ只中。  我が家の長男は大学受験戦争の渦中に居た。  長男に似合う言葉を1つ選べと言われたら、母は「中道(ちゅうどう)」と答える。  仏教用語としての中道は、2つのものの対立を離れていることだという。  確かにうちの子は争わない。  よその子と戦っているところを見たことがない。  思い返せば兄弟喧嘩も殆どしない子たちだった。  そして何より成績が真ん中。偏差値で言うなら50ジャスト。  周りが上がれば一緒に上がり、周りが下がれば一緒に下がる。  取り立てて優れているわけではなく手がつけられないほど劣っているわけでもない。 中道、それは争いのない世界。  そんな息子は受験戦争でも戦わず、のったりのったり我が道・中道をひたすら歩いていた。
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