三話 自己紹介

3/4
前へ
/102ページ
次へ
 歩いて三分の場所にあるコンビニに行って、今日の夕飯と彼の下着やTシャツを買う。コンビニって本当に何でもあるから便利。  急いで戻ったので、まだお風呂からシャワーの音が聞こえた。自分の部屋からメンズの短パンを出して来て、さっき買った下着とTシャツを脱衣所に置く。  部屋着に大きめサイズを使う、私のこだわりが役に立って良かった。短パン、メンズサイズのMだけど多分彼なら大丈夫だろう。 「着替え、コンビニで買って来たから使ってねー」  蛇口をキュッと捻る音が聞こえて、シャワーの音が止まる。 「ありがとうございます」  ちゃんと返事が返ってくる。よし、大丈夫。彼だけラフな格好で、私がスーツだと違和感があるから着替えようと自分の部屋に向かった。  バタバタしていたからあまり気にしなったけど、私自身も結構濡れている。彼が、気を遣って私が濡れないように傘を差してくれていたけど、それでも二人で入っていれば濡れてしまう。  部屋着に着替えてリビングのソファーに座る。やっとちょっとホッとする。  そこで、この状態を改めて考える。私、あの子のことどうするつもりなんだろう……。何であそこにいたのか、訳を聞かないことには始まらないけれど……。  自分らしくないことをしているな自覚は多いにある。んー、どうしよ?  ガチャッ  彼がお風呂から上がったようで、リビングの扉を開けて入って来た。白Tシャツも短パンも問題なさそうだ。 「あのっ、着替えとか色々ありがとうございます」  律儀に、ちゃんと頭を下げている。会ってからここまで、ずっと謝罪とお礼の繰り返しだ。 「良かった。こっち来て座って。疲れたでしょ?」  私は、自分が座っていた三人掛けのソファーの隣を指さす。彼は言われた通りに、一人分の間を開けて隣に座った。  
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加