67人が本棚に入れています
本棚に追加
五話 朝の会話
翌朝、私はいつも通りの朝を迎える。遅くまで幸知としゃべっていたので眠い。ベッドから起き出して、リビングに行くとソファーで眠る幸知が目に入った。
夏だから、タオルケットがあればいいということでソファーで眠ってもらったのだ。
私は、キッチンに入ると朝ごはんを作り始めた。ご飯は炊いてないから、今日はパンだなとトースターに食パンを二枚入れた。
フライパンを出して、冷蔵庫からベーコンと卵を二個取り出す。火にかけたフライパンに、油を引いてベーコンをしきその上に卵を割り入れる。
塩コショウをしてから、少量の水を入れてフライパンの蓋をして焼く。タイマーは5分。そこまでやってから、トースターのスイッチを捩じる。
これで、パンと目玉焼きが同時に焼き上がる。
焼いている間に、レタスをちぎって皿に盛りミニトマトを水で洗った。するとピピピっと五分のタイマーが鳴った。
フライパンの火を止めて、レタスとミニトマトの横に目玉焼きを盛り付ける。パンも焼けたので、お皿に移す。
ダイニングテーブルの上にお皿を置き、パンに付けるバターやジャムそれとフォークも持ってきて準備が完了する。
「幸知くん、朝だよー」
幸知に声をかけると、タオルケットの中でもぞもぞと動いた。その間にも、私は食器棚からコップを二つだして作り置きしている麦茶を注ぐ。
コップ二つを手に持って、ダイニングテーブルに歩いて行くと幸知が起きたのか、ソファーに座ってタオルケットを畳んでいた。
「おはよー。ちゃんと寝られた?」
「おはようございます。はい、眠れました。これ、ありがとうございます」
幸知は、畳んだタオルケットをソファーに置いている。
「なら良かった。朝ごはんできたから、食べよう」
私は、ダイニングテーブルの椅子に座った。
「朝ご飯まですみません」
幸知は申し訳なさそうにしながらも、席についた。
「超簡単な朝ごはんでごめんね。では、いただきましょう」
私は食パンを手に持って、ブルーべリージャムを塗り始める。
「朝ごはん、食べられると思ってなかったので嬉しいです。いただきます」
幸知は、ちゃんと手を合わせてから食べ始めた。私は、そんな幸知の様子を見ながら礼儀正しい子だなと感心した。
最初のコメントを投稿しよう!