9月−② 悠子の企み

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「では罰ゲーム決定で、青山君もいいかしら?」 ただ一人、机に伏せてしまったハル君に悠子がそう聞く。 それにハル君が「勝手にすれば」と返事をする。 ハル君、今日は機嫌が悪いのかな。 それともやっぱり、わたしに怒っているのかな。 「青山君、嫉妬してるんじゃない?」 HRが始まる直前、美紀がわたしに耳打ちした。 でも、それはないよ。 ハル君は、わたしにそんな感情は持たない。 だから優しくされても期待したらダメだって、ずっと自分に言い聞かせてきた。 でも、急にこんな風に冷たくされた時は、どうすればいいかわからなくなる。 ただ友達として、近くに居られるだけでいいのに。 ハル君はいつだって優しい。 それから時々、難しい。
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