と・く・べ・つ8つるぺったん(汗)✕ぽあぽわぽん(照)✕火の玉屋

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と・く・べ・つ8つるぺったん(汗)✕ぽあぽわぽん(照)✕火の玉屋

 少しだけ涼しい風が吹く。今日は宵宮の日。この日は毎年ワクワクが止められない。去年はじめて伊織先生のスタジオメンバーと宵宮に行ったにょんたんずも分かりやすくワクワクしている。  にょんたんずの翡翠と風くんと水くんは今年はお揃いの水色の浴衣。母さんが用意してくれた。俺の浴衣は薫蘭風ちゃんのチョイスだ。 「ほら翡翠可愛い」  翡翠の着付けを終えて、俺はホッと息を吐く。着付けができるようになったけど、まだ母さんほど速くできない。俺が翡翠の着付けをしている間に母さんは風くんと水くんの着付けを終わらせる。 「にょんたんず、みんな素敵よ。瑠璃も素敵」  褒められて悪い気はしない。今年も俺の家にみんな集まっている。 俺、翡翠、風くん、水くん、良くん、香多くん、タッくん、五丁目さん、げたんわくん、うたうものさん、アッキー、マッキー、本乃社長、薫蘭風ちゃん、束砂さん、更紗さん、はろんさん、大、徹、親父、母さん、瑞希先生。去年と同じく二十三人。このメンバーが宵宮の日には俺の家を宵宮の時間までの待機場所にするのだ。 「やっぱり宵宮の日は浴衣だよね! ご先祖に会うんだからさぁ!」  更紗さんは今年は藍色の浴衣。やっぱり落ち着いた色が似合うよ。ちなみに瑞希先生とお揃いだ。 「今年はめうをワンポイントにしてみました!」  束砂さんは、袖だけにめうが描かれたピンクの浴衣。タッくんとげたんわくんもお揃いだ。タッくんとげたんわくんがピンクって何か新鮮だ。 「今年は私達、黄色にしてみました!」  はろんさんとうたうものさんもお揃いの浴衣。特に仲良しさんは毎年お揃いにしがちだよね。 「今年は私達もお揃いにしてみました」  五丁目さん、良くん、香多くんもお揃い。お揃い率が恐ろしく高い。何なら俺も薫蘭風ちゃんとお揃いだし、母さんと親父もお揃い。大と徹もお揃いの浴衣で、伊織先生、アッキー、マッキーもお揃いだ。 「私だけ、お揃いがいない!」  流石に本乃社長と同じゴールド浴衣にしてくる人はいないだろう。だが分かる。今夜の宵宮で一番目立つのは本乃社長だ。  準備ができて、俺らは夕闇の道を近くの神社までゆっくり歩いていく。伊織先生の専属モデルは、もう認知されまくっているから、視線を集める。それでも、にょんたんずの可愛さには敵わない。小動物と子供の可愛さには誰も敵わないよ。ま、にょんたんずの中でも翡翠が一番可愛いけどね!  もちろんスタジオメンバーで集まるときは、みんな女体化している。親父、大、徹を覗いてだ。大と徹の女体化は伊織先生のお眼鏡に敵わないからだ。何気に酷い。親父の女体化は、ぶっちゃけると俺が見たくない。あと、作者が楽しくないからだ。  大勢でゆっくり歩いて辿り着いた神社は、すでに活気に溢れている。この神社がこの近辺で一番大きいからか、結構遠出してくる人もいる。 「みんな準備はいいか!? 火の玉屋を探すぞ!」  伊織先生の号令が皆がおぉ! と声をあげた。一年一度、ご先祖とお話できる機会を逃す訳にはいかない。皆が目を皿のようにして火の玉屋の出店を探す。
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