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「そう言えばさぁ、火の玉屋のおじさん、毎年、俺はお兄さんだって言うじゃん? 実際いくつなんだろう?」
最もな疑問をげたんわくんがぶつけてくる。
「俺らより十は上じゃない? 俺らが高校生のときからやってるんだから」
「だとしたら若いよなぁ。俺らも全然見た目変わらないけど、火の玉屋のおじさんも変わらないじゃん?」
「そこは仕様だと思うよ? やっぱり見た目若い人書いてるほうが楽しいじゃん?」
「瑠璃、何の話をしているんだ?」
今更だと思いつつも何も返す。世の中、触れなくていいことってあるんだよ。
「瑠璃お兄ちゃーーん! 火の玉屋さん、いたよ!」
翡翠の声が上がり、みんな足早になる。いち早くにょんたんずたちは火の玉を手にしていた。
「おう! にょたチョコ男子の嬢ちゃん、遅かったな! 弟くんたちはもうお話はじめてるぜ!」
「でな、僕の時代も歴史の考察はどんどん変わったんだよ。だから今も変わっていっておかしくないんだよ」
翡翠は、歴史学者のご先祖様と歴史談義をはじめている。火の玉屋のおじさんが渡したろうそくに火をつけるとご先祖様の魂が宿る。ただ一番波長の合うご先祖様だけで毎年同じご先祖様に会える。波長が合う訳だから話が合わない訳ない。
風くんと水くんは、大航海時代に生きたご先祖様と話している。今年は、風くんと水くんが仕入れてきた海賊の情報をご先祖様がうんうんと聞いている。でもそれ、漫画の話だよね? 水は差さないけど。それを見守りながらじゃんけんをしているのは瑞希先生と瑞希先生のご先祖様。ご先祖様とじゃんけん勝負かよ、
あちこちで火の玉屋のおじさんは火をつける。更紗さんは今年はご先祖様と一緒に盆踊りをしているし、束砂さんは花火持ち込みでご先祖様と花火をしている。
「お参りに行きましょう!」
うたうものさんとはろんさんは、ご先祖様の手を引いてご参拝に行った。
「よしよし! ちゃんとシャインマスカット持ってきたな! 来年はメロンでもいいぞ?」
「なんで俺のご先祖、こんなにフルーツ好きなの!?」
げたんわくん、フルーツは俺も好きだ。
「やっぱりな、ゴスロリって可愛いと思うんだよ。そして眼鏡とか癖に刺さるからな」
五丁目さんのご先祖様は、普段の五丁目さんの服装を褒めている。分かるわ。伊織先生のスタジオメンバーでゴスロリ一番似合うもの。
「コミカライズというのか? 時代は進んだのう」
タッくんのご先祖様は俺には分からない話をしている。コミカライズって何?
「魂だけでも女体化はできるんだろうか?」
「にょたチョコ食べて見る? 俺のご先祖様なら絶対可愛いだろうし!」
良くん、ご先祖様に変なもの食わせるなよ。
「お主はなんで年を重ねてもロリなんだ? 十年前から全然変わらん」
「だって僕、おじさまたちのアイドルだから。アイドルは永遠なんだよ?」
香多くん、マジでずっとグラビアやってそうで怖いな。俺も変わらないけど、意識は少し変わったし。
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