0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
木々のせせらぎの中、舗装されてない道の中
あたりは残暑の名残り香に包まれつつ
色づき変わる秋の訪れを奏ではじめていた
僕は彼女の少し後ろを歩いていた
彼女に降り注ぐ木々の木漏れ日は
彼女を影と光で染め上げていた
その光景の前では、
あたりの風景の色彩も色褪せてしまっているように僕には思えた。
彼女は振り返らずに
「私はただの人、貴方が私を そう見ているだけ。」
僕は全てを見透かされているのだ
情緒的な彼女への描写が陳腐な表現である事を痛烈に叩きつけられた
賢ぶってる矮小なインテリだと痛感した。
その瞬間僕は彼女を愛した
それと同時に彼女の中に埋まってしまいたいと
しかし彼女はさらに続けた
「貴方を愛することは無いわ、でも貴方の全てを受け入れる事は出来るわよ」
彼女の言葉が全身を駆け巡った
僕は一言
「そう」とだけ返した
彼女は
「そう、、」と僕の言葉を繰り返し
軽く笑った
最初のコメントを投稿しよう！