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いきなりがっつきそうな勢いの声だったが、流石にそれはなく、みんなテーブルマナーをしっかりと守って丁寧にしかし、たっぷりと皿に乗せて食べる。
「このマッシュポテト雲みたい!」
「グラタンの鮭が甘くて蕩けるにゃ」
「このスープ・・どうやって出汁取ってんだ?」
「このパスタ、ピリ辛だけど病みつきになるわ」
「このお肉・・しっかり火が通ってるのに柔らかいです」
みんながみんな絶賛の声を上げる。
私は、自分が作った訳でもないのに嬉しくなってつい自慢げに胸を張ってしまう。
私も目の前に置かれたローストチキンにナイフを通して小さく切り分ける。
私のナイフ捌きを見てマナが嬉しそうに微笑んでる。
私は、少し恥ずかしくなりながらチキンを口に放り込む。
甘いタレにじっくりと付けられたお肉は口の中で解けるように溶けて舌に染み込んでいく。
美味しい。
お肉の柔らかい感触も、濃厚な肉汁も、甘いタレも全てが美味しい。
私は、思わず身を震わせて、ほっぺたに触れてしまう。
「ねえ、店長!アレはないの?」
イリーナが嬉しそうにローストビーフを頬張りながらカゲロウに声を掛ける。
アレ?
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