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ベンチに戻ってきてヴァイオリンをしまっていた。私は、それを見届ける。
先輩はものを大切にする人だってヴァイオリンの使い方を見てもわかる。
それくらい、彼女さんのことも大切にしてるんだろうな。
考えると心が締め付けられてしまう。
先輩は自転車で来てるみたいで押しながら、私のに合わせて歩いてくれる。公園から出て10分くらいでつく私の家の前まで送ってくれた。
「じゃぁ、俺はバイト行くわ」
「はい、頑張ってくださいね」
「また遊びに来いよ。じゃあな」
先輩は遭うにまたがって漕ぎ出し直ぐに曲がり角で姿がみえなくなった。すぐ部屋の中に入った。
先輩、ずるいですよ。
ヘタレのくせに、優柔不断のくせに。
なんであんなにかっこいいんですか。
顔が赤くなっていくのを感じつつ、口に手を当ててしゃがみ込んだ。
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