恋に現は抜かせない

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 おしゃれな町並み、可愛い雑貨屋、入りたくなるようなカフェ、上京して3年目でも未だに胸躍る。  駐輪場に自転車をおいて、お店に入った。カウンター席を確保して、飲み物を注文するのに手を上げた。 「すみませーん」 そういうと、ウェイターさんが注文を聞きに来る。 「はい」 「あ、今日はシフト入ってたんでね、先輩」  実はここ、先輩のバイト先なのだ。  それを知ったのは半年前くらい。月に1回、土日どちらかしか行かないから、先輩が働いている時間にはかぶらなかったけど、先輩は大学入学から働いてるらしい。 「おう、今日はこっからあと6時間働く。ご注文は?」 「あ、アイスコーヒーで」 先輩のウエイター姿かっこいい。長身にカフェスタイルはよく似合う。 後ろ姿を目でおってると、高校生くらいの女子二人組が先輩に黄色い視線を送っていた。  性格さえ知らなければ、ただのイケメンなんだよなぁ。  だから大学入ってからは、女の絶えない人生になってるんだよね。長続きするかは別にしてだけれど。
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