恋に現は抜かせない

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 寂しくなる、なんて言って、私の気持ちを揺さぶるんだから、やめてほしい。 「留学するだけなので帰ってきますけどね」 「そっか。あ、このあと時間ある?」 「あります」  先輩はスマホで最近流行ってるミュージカル映画を見せてきた。私も見たかったやつ。タイミング探していた。 「この前のシュークリームのお礼、橘こういうの好きだろ」 恋愛じゃなくてヒューマンドラマの類が好きなの知っててくれてたんだ。 「えぇー、嬉しいです!行きます」 「じゃ、16:30の回な」  先輩は予約を入れていた。  この近くにちょうど映画館があってかなり利便性がある。一人でも友達とも映画はそこにいっている。 「奢られるのは気が引けるんで、半額払います」 「言うと思った。はいはい。じゃ戻るから後でな」  そういって先輩は私の隣の席から立って、カフェのスタッフオンリーのドアに入っていった。  私は視線をパソコンに向け直してまた作業を再開した。  終わるまでにアイスコーヒーとホットのキャラメルラテを頼んで、課題はなんとか終わった。メールで教授に送りふーっと息をはきつつパソコンを閉じリックに戻した。
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