最後のおせっかい

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 先輩がずっとつけていたネクタイを、まさかこんな宝物みたいに思う日が来るなんて、あのときは思わなかったな。 涙が滲んできて、やるせなくなり、ネクタイとノートを缶にしまった。  は早くくっついて、はやく私の前からいなくなっちゃえばいいのに……。  映画館の出来事から一週間後。  私は深夜のコンビニのバイトをしている。なにがいいって時給がいい。日中勉強して、夜はバイト、なんてこともある。  資金を貯めたいから時給はいいところが最優先。そして少しでも余ったら投資もしてる。 "橘!凄いことあった!電話できる?"  バイトの休憩時間にラインを開くと先輩から来ていた。 "なんですか?いまバイト中で……終わったら連絡しますね" そう送るとスタンプで返事が来た。  深夜帯だから終わるのは朝6時。授業はお昼かならだから家に帰って一眠りする。  スマホのアラームが鳴って気づいたら12:00を過ぎていた。講義は最後の2コマだけだから、もうちょっと時間はある。ベッドで横になったまま、スマホの画面を開いて先輩とのラインを確認する。昨日のわたしのスタンプで止まってる。
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