最後のおせっかい

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 私はドリンクバーを取りに行って、先輩は運ばれてきた唐揚げ定食を食べていた。 「はい、これ」  先輩は唐揚げを1個よけていた。毎回、一人で食べるのは寂しいからって、私が食べないときは何かをくれる。  お箸を出して唐揚げを食べるとサクッとしてて美味しい。 「お前の唐揚げもまた食べたいわ。塩レオンベースのやつ」  高校ときにお弁当に入れていたからあげ、私は塩レモンで作って自分で上げていた。兄弟にほぼ取られるからお弁当には2つしか入ってないのに、先輩にもとられてたっけ…… 評判良くて嬉しい限り。 ホントはたくさん作ってあげたい。 でも彼女でもないし、そんなことしたらだめだよね。 「また揚げ物したらお裾分けにいきますね」 「うん」  先輩が食べ終わるまでホットティーを飲みながら待っていた。食べ方がっつりしてるのに品があるんだよね。地主の息子なんだっけ……。  先輩は食べ終わり、コーヒーを持ってきていた。これから本題にはいるみたい、そういうときの先輩はかしこまってて咳払いしていた。背筋ものばしてる。 「なんですか?」 「真梨ちゃんが同じバイト先で働くことになったんだよ」
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